文字列 (Strings)
1.基本的な文字列 (Basic string)
Pythonでの基本的な文字列(Basic string)は、シングルクォート(‘ ‘)またはダブルクォート(” “)で囲むことで作成されます。これにより、短い単語や文章を表現するのに便利です。文字列は不変(immutable)であり、一度作成されるとその内容を変更することはできません。文字列の操作には、連結(+演算子)や繰り返し(*演算子)が可能です。Pythonの組み込みメソッドであるlen()で文字列の長さを取得したり、in演算子を用いて部分文字列が含まれているかを確認することもできます。たとえば、”Hello” + ” World”のように文字列を簡単に連結して出力できます。
2.マルチライン文字列 (Multiline string)
マルチライン文字列 (Multiline string), Pythonでは三重引用符(”’または”””)を使うことで、複数行にわたる文字列を簡単に記述できます。これにより、長いメッセージや複数行にわたるテキストを扱う際に便利です。また、三重引用符を用いた文字列は一種のコメントとして使用されることもあります。特に、ドキュメント文字列(docstring)として関数やクラスの説明に利用されることが多いです。三重引用符で作成した文字列内では、改行がそのまま保持されるため、改行コードを明示的に指定する必要がありません。
3.エスケープ文字列 (Escaped string)
エスケープ文字列(Escaped string)では、\を使って特別な文字を表現できます。例えば、\nは改行、\tはタブスペースを表します。この特性を利用して、文字列内で改行やインデントを含めたレイアウトを簡単に行うことが可能です。また、クォート(\'や\")をエスケープして文字列内でそのまま使用することもできます。ただし、エスケープが多用されると可読性が低下するため、必要に応じて生文字列を使用すると良いでしょう。
4.生文字列 (Raw string)
生文字列 (Raw string)はrプレフィックスを付けることで作成され、エスケープ文字をそのまま文字列として扱うことができます。これにより、\nや\tを特別な文字として解釈せず、そのまま出力します。主に、ファイルパスや正規表現のパターンを書く際に便利です。特に正規表現では、バックスラッシュが頻繁に使用されるため、r"pattern"として記述することで可読性が向上します。例えば、WindowsのファイルパスC:\Users\Nameをそのまま扱える点が特徴です。
1. 基本的な文字列 (Basic string)
例: “hello”, ‘world’
# 用例1: 文字列の作成
e = “Hello”
print(e) # 出力: Hello
# 用例2: 文字列の連結
print(e + ” World”) # 出力: Hello World
2. マルチライン文字列 (Multiline string)
o 例: “””This is\nmulti-line”””, ”’This too\nworks”’
# 用例1: 三重引用符で作成
f = “””This is
a multiline string.”””
print(f)
# 出力: This is
# a multiline string.
# 用例2: コメントの代わりに使用
“””
This is a multiline
comment for documentation.
3. エスケープ文字列 (Escaped string)
例: “Hello\nWorld”, “Tab\tSpace”
# 用例1: 改行文字の使用
g = “Hello\nWorld”
print(g)
# 出力:
# Hello
# World
# 用例2: タブ文字の使用
print(“Hello\tWorld”) # 出力: Hello World
4. 生文字列 (Raw string)
o 例: r”C:\path\to\file”, r”Line1\nLine2″
# 用例1: ファイルパスの記述
h = r”C:\Users\Name”
print(h) # 出力: C:\Users\Name
# 用例2: 正規表現での使用
import re
match = re.match(r”\d+”, “123abc”)
print(match.group()) # 出力: 123